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「学びや むげん」代表のたかとりーなが日々考えていることです
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2014札幌圏の公立高校出願状況(前編)
お待たせしました

札幌圏のみ(職業科を除く)ですが、公立入試の出願状況について書かせていただきます


まず、毎年恒例の注意点について…

報道(発表)されている数字は大まかなものに過ぎません

理由は3つありまして

1つは「倍率が小数第2位を四捨五入して出されているから」

2つめは「推薦入試も加味した倍率だから」

3つめは「他の科からの合格者を想定していないから」


1つめの四捨五入の件について

報道では1.3倍となっていても実際には1.25倍〜1.34倍まで開きがあるからです

この0.09倍を「大したことのない数字」と捉えるかどうか、それは人それぞれだと思います

ちなみに、320名定員の高校で約29名分にあたります


2つめの推薦入試の件については、具体的に数字で説明したほうが良いでしょう

例えば札幌旭丘高校の場合

報道されている倍率は1.4倍、小数第2位まで出すと1.42倍です

推薦枠64名に対して107名が出願しています

単純に推薦枠いっぱいの64名に合格を出したとすると43名の推薦不合格者が出ます

一般の募集人員は320→256、それに対して推薦不合格者が全員再出願したとして出願者数は348→391

一般入試の倍率は1.53倍に上がります(実際には推薦不合格者が全員再出願ということはないでしょうが)

これが札幌開成コズモサイエンス科などの定員が少ない所になると、よりはっきりします

報道されている倍率は1.9倍、小数第2位まで出すと1.94倍

推薦枠40名に対して31名が出願しています

この31名が全員合格だとすると、残り49名の枠を一般出願者124名で争うことになります

一般入試の倍率は…

2.53倍

これは不合格者の数は変わらないのに、合格者の枠が狭くなったことによるもので、推薦入試で合格した生徒が、一般入試でも合格する基準に達していたとすると、単に合格が早く出ただけに過ぎません

それにしても、推薦枠がある高校に出願する場合は、額面どおりの定員ではないと思っていたほうがいいでしょうね


最後の「他の科からの合格者を想定していない」点について

こちらも実際に数字を使って説明しましょう

札幌開成高校には普通科とコズモサイエンス科があります

今回の発表では普通科定員240名に対して出願者285名で、倍率は1.19倍

やった!今年の開成の普通科は倍率低いぞ!と喜んでいる人もいるでしょうね

コズモサイエンス科は、上に書いたとおり推薦入試があるので実質残りの定員は49名

基本的にコズモサイエンス科に出願する生徒のほうが学力的には上位の生徒が多いので、コズモサイエンス科は不合格でも普通科には合格と言うことが往々にしてあります

ちなみに3年前は38名の普通科合格者が出ています

ということは、普通科285名とコズモサイエンス科の一般入試受験者124名のうちコズモサイエンス科で不合格の75名、合わせて360名が普通科の240名の枠を争うと考えれば、倍率は1.50倍になります

全然違いますよね(^_^;)

普通科の生徒や、コズモサイエンス科の生徒の中で普通科の合格でも構わない生徒は、こちらの倍率を参考にしてください


さて、そういった点も踏まえて、発表されたのとは違った倍率をお知らせしたいと思います

左から小数第2位までの倍率、昨年当初からの増減

倍率は推薦入試を除いたものになっています(色が変わっているところは発表と大きく異なっていますので注意してください)

更に他の科がある場合は、下に学校全体での倍率を載せてあります

札幌国際情報については、どういった仕組みになっているかわからなかったので学校全体の倍率は載せていません、ご了承ください

道立高校

東  :1.18(−21)
西  :1.37(−55)
南  :1.24(−11)
北  :1.29(−35)
月寒 :1.46(+33)
啓成(普):1.13(−12)
啓成(理):2.33(+23)
啓成(総):1.26※理数科不合格者が普通科に回ったときの倍率
北陵 :0.98(−43)
手稲 :0.98(−87)
丘珠 :1.21(+ 8)
西陵 :1.19(+55)
白石 :1.06(−52)
東陵 :0.99(− 3)
南陵 :1.08(−56)
東豊 :1.31(−12)
真栄 :1.12(−44)
あすかぜ:0.93(−80)
稲雲 :1.10(−44)
英藍 :1.05(−47)
平岡 :1.20(+ 7)
白陵 :1.33(+17)
国際情報(普):1.96(+34)
国際情報(国):2.48(+59)

江別 :0.83(−46)
野幌 :0.91(−55)
大麻 :0.97(−86)
千歳(普):1.05(−49)
千歳(国):1.30(+13)
千歳(総):1.09※国際教養科不合格者が普通科に回ったときの倍率
千歳北陽:0.88(+24)
北広島:1.46(+85)
北広島西:1.18(+67)
石狩南:1.12(+17)
当別 :0.89(− 9)
恵庭南(普):1.07(+ 6)
恵庭南(体):1.55(+12)
恵庭南(総):1.17※体育科不合格者が普通科に回ったときの倍率
恵庭北:0.97(−38)
石狩翔陽:1.24(−19)
厚別 :1.17(− 4)

市立高校

旭丘 :1.53(−23)
藻岩 :1.05(−61)
平岸(普):1.55(+35)
平岸(デ):1.24(− 6)
平岸(総):1.57※デザインアートコース不合格者が普通科に回ったときの倍率
清田(普):1.01(−25)
清田(グ):1.45(− 3)
清田(総):1.05※グローバルコース不合格者が普通科に回ったときの倍率
開成(普):1.19(−61)
開成(コ):2.53(−14)
開成(総):1.50※コズモサイエンス科不合格者が普通科に回ったときの倍率
新川 :1.77(+86)


今年のまず特徴的な点といえば、昨年からの人数の変動が激しい高校が多いことでしょう

昨年に比べて大幅に志願者が増えた(+30人以上)高校

月寒 :1.46(+33)
西陵 :1.19(+55)
国際情報(普):1.96(+34)
国際情報(国):2.48(+59)
北広島:1.46(+85)
北広島西:1.18(+67)
平岸(普):1.55(+35)
新川 :1.77(+86)


逆に昨年から大幅に志願者を減らした(−30人以上)高校

西  :1.37(−55)
北  :1.29(−35)
北陵 :0.98(−43)
手稲 :0.98(−87)
白石 :1.06(−52)
南陵 :1.08(−56)
真栄 :1.12(−44)
あすかぜ:0.93(−80)
稲雲 :1.10(−44)
英藍 :1.05(−47)
江別 :0.83(−46)
野幌 :0.91(−55)
大麻 :0.97(−86)
千歳(普):1.05(−49)
恵庭北:0.97(−38)
藻岩 :1.05(−61)
開成(普):1.19(−61)

随分減ったところが多いですね(^_^;)

確かに卒業生の数自体減ってはいますが、今年は私立専願や単願が多いということなんでしょうか?

そして、もう一つ

何か気づきませんか?

北区・西区・手稲区方面の高校が多いですよね

手稲と北陵の定員割れはちょっとビックリしました

まあ、手稲は以前も定員割れありましたし、北陵もここ数年は定員こそ割れませんでしたが低倍率でしたしね

そして、大麻の定員割れと対照的な北広島の高倍率

よく見ると、江別市の高校は全て定員割れですね

札幌に流れてきていると言う話は数年前から聞きますが、かと言って旧第2学区の高校の倍率が高いかと言われれば、そうでもないんですよね

何かあるんでしょうか(^_^;)

あと、藻岩や清田の低倍率も気になりますね

全体的に倍率が低いためがそれほど目立ちませんが、いつ定員割れになってもおかしくないかもしれません

ただ、こうして札幌圏でも定員割れになる高校は確実に増えてきているわけでして

今後、高校配置計画で学級数がどんどん減らされていくのもやむを得ないかもしれませんね


明日は出願変更に向けた動きとあわせて今年の公立入試の傾向について書きたいと思います

それでは、今日はこのへんで


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