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「学びや むげん」代表のたかとりーなが日々考えていることです
2024年第6回道コンの感想

以前は2月道コンと呼んでいましたが、最近は1月末に行われることがほとんどなので、第6回と呼称させていただきます。

個人的には月で呼んだ方がわかりやすいので第〇回という言い方は好きではないのですが…

あと、これまで私の感想は赤で表示していたのですが、逆に見にくいかなと思ったので普通に黒のままにしました。

 

国語については、1月に引き続き村上先生のレビューを参考にしてください。

 

2024年2月 中3道コン国語レビュー

 

大問1問2(2)漢字の書きー早急 期待得点率70% 得点率49.1%

大問1問4 四字熟語の空欄に当てはまる漢字 期待得点率80% 得点率52.2%

四字熟語、知らないもんですね。

ただ、道コンで出たからじゃあ今から勉強しようというものでもないと思います。

それは1月に出題されたことわざ・慣用句にも通じること。

こういったものは、普段から文章を読んだり大人との会話の中で身につけていくものだと思っています。

 

大問3問1(2)置き字ー「而」 期待得点率50% 得点率28.4%

大問3問3 獣たちが逃げた理由 期待得点率70% 得点率23.0%

大問3問4 文章を読んだ生徒の感想 期待得点率60% 得点率21.9%

今回、古文(漢文)のできが全体の点数を決めたようなところがあります。

虎の威を借る狐の話を知っていた人は有利だったと思いますが、逆に知らない人いるのかな…

問4を間違えた人は、ほとんど「やさしさ」を選んだのだと思いますが、これは戦国策と言って王に助言を求められた遊説家たちの話しをまとめたものです。「虎はやさしいですよねー」だとアドバイスになりません(笑)王を虎に例えて、ズル賢い者(狐)が王の権力をかさに着て偉そうにしているが、あなたはこの虎のように愚かではないでしょ?違いますよね、と言っているんです。こういった話が数多くあるので、私は古文より漢文の方が好きなんです。

 

続いては数学。

大問1問6作図ー∠ABC=∠PBCとなる点 期待得点率20% 得点率6.7%

数学で得点率が最も低かったのが作図…しかも大問1ですよ。

期待得点率が低いので作問者も受験生ができるとは思っていなかったのでしょうが、この問題。

”問題文が悪いです"

「直線AC上の直線ℓに対してAと反対側に点Pをとり、∠ABC=∠PBCとなるようにします。」と書いてありますが、私なら「直線AC上に∠ABC=∠PBCとなるような点Pをとります。ただし、点Pは直線ℓに対してAと反対側になるものとします。」としますね。これなら点Pが対称な点であるとの誤解を与えにくくなると思うのですが。

 

大問3問2 関数y=ax”ー変域と定数aの値  期待得点率50% 得点率28.3%

大問3問3(2)2 関数y=ax”ー点Pのx座標 期待得点率20% 得点率7.0%

関数は元々得点率は低いのですが、最近流行りの誘導を多用しているせいか難易度と得点率が乖離しているような印象があります。1月道コンとか今回とか、誘導を与えないで問題解かせたらどうなるんですかね。

どうにも受験生の思考の妨げになっているような気がしてならないんですよ。

 

大問4問4 相似ー相似比の利用 期待得点率5% 得点率8.9%

これ、相似に気づけばあっさりなんですが、なかなか難しいですよね。

ちなみに、昨年の1月道コンが類題と言えば類題でした(相似の組み合わせを自分で見つけて相似比から長さを求める)。

 

大問5問2(2)空間図形ー切り口の円の半径 期待得点率10% 得点率7.4%

この図いります?

普通に切り口を自分で考えた方が早いと思うのですが…

実際、私は与えられた図を無視して、切り口の図を書いてあっさり解きました(採点基準表に載っている別解ですね)。

これです。

※B、D、Eを通るので切り口は正三角形ですね

※切り口に接する接点は対角線の交点、つまり対角線の中点となり、そこをL、M、Nとします

※正三角形BDEの面積6√2×3√6×1/2は3つの二等辺三角形(△O’BE、△O’BD、△O’DE)の合計に等しく、6√2×r×1/2×3で表せますので、後は方程式を解くだけです。

こっちの方がいいと思うんだけどなぁ。

 

続いて社会。

大問1問1(2)地理ー世界の国々の位置 期待得点率70% 得点率43.7%

大問1問2(2)歴史ー太閤検地(記述) 期待得点率50% 得点率19.7%

大問1問2(3)歴史ー東北地方の歴史(資料) 期待得点率40% 得点率6.6%

問1(2)を間違えた人は、真ん中が本初子午線だと気づかないで日付変更線(180度の経線)だと思って解いたんでしょうね。

太閤検地の記述は、「石高」がなんなのかわからないまま書いたので、「年貢」とか「米を納める」といった内容が含まれていない解答が多かったことが推測されます(うちの生徒の間違いは、ほとんどこれでした)。

そして、問2(3)。

「これ、なんで語句と年代の並べ替えの両方が正解しないと点数もらえないんですか?」

今まで見た道コンの中でトップレベルで酷い配点ですね。1点問題を作りたくなかったんでしょうが、普通別々に配点するものでは?完全解答ってお互いに関連しているから片方が正解しても意味がないので合わせて得点にするものだと思ってましたが、違うんでしょうか。

そして胆沢城。私は多賀城が宮城県(東日本大震災で報道されていたし、多賀城で塾をしている先生を知っていた)だと知っていたので消去法で正解できましたが、確かに入試では教科書の隅に載っているような地図からでも出題されると言っても、これはちょっと…(帝国書院P51右上)じゃあ、他の志波城や柵の名前も覚えろと言うのでしょうか。私は生徒にそんなことは言えませんね。

 

大問2問1 社会ー10世紀の様子 期待得点率50% 得点率24.8%

大問2問4 外交ー長州藩による外国船砲撃 期待得点率60% 得点率14.6%

問1は平安後期の平氏が西日本を中心に勢力を伸ばしていたので平将門もそうだと思ったのかもしれませんね。あと、例のごとく浄土信仰と浄土宗を間違えたのか。

問4はええじゃないかをただ単に江戸時代と思ってイを選んだか、単純にエの選択肢が幕末だと知らなかったか。この選択肢を並びかえの問題にしても面白かったんですけどね。

 

4教科目は理科。

大問1問5 天体の動きー年周運動(語句) 期待得点率70% 得点率48.7%

大問1問5 化学変化と質量ー未反応の質量 期待得点率50% 得点率16.1%

この問5でこの得点率ですか…本当に理科の計算問題苦手な子が多いですよね。未反応の問題は、増えた質量(ほとんどの場合酸素)に対して、どのくらい反応するかを計算して元の質量から引くだけです。

 

大問2問1 物質ー金属片Aの体積 期待得点率80% 得点率43.2%

大問2問2(1)物質ー同じ種類の金属 期待得点率50% 得点率30.0%

大問2問3 物質ー体積が最も小さい金属片 期待得点率50% 得点率23.2%

問1…60.5って答えたんですか?まあ、作問者が引っかける気満々なので仕方ないと言えば仕方ないのですが(表2で測定値を使い、すぐ密度を計算できなくしてあるところに悪意が…)。もう少し問題ちゃんと読みましょうね。

そして、この問題構成に一言言いたいのですが、仮に密度の計算を間違えたら問2(1)(2)問3と芋づる式に間違えるようにできているんですね。実に9点分です。これは酷い。もう少し出題に工夫がほしかったです。さらに、(1)と(2)は完全解答ではなく別々に配点なんですよ(笑)分ける意味ありますかね…

 

大問4問2 日本の気象ー地表付近の風向 期待得点率50% 得点率29.6%

大問4問3(1)日本の気象ー台風 期待得点率60% 得点率18.1%

問2はですね…図2を見てください。生徒と話していて「そうか!」と気づいたのですが、矢印の上に北って書いているじゃないですか。これ見て、こっちの方向に吹く風が北の風だと思いましたね…違います。地図だと、基本的に上が北なのですが、これは地図ではなく図なので「上が北だよ」と教えてくれているだけです。

台風の問題は太平洋(小笠原)高気圧を知らないせいか、移動性高気圧と答える生徒が予想以上に多かったです。

 

大問5問1(1) 物体の運動ー台車の平均の速さ 期待得点率70% 得点率20.6%

大問5問2(3)仕事ーばねばかりの値 期待得点率50% 得点率9.9%

問1(1)は、多い誤答は58ですかね。2打点だから0.2で割る(または5をかける)んですが、よくわからないで長さを10倍したらええやろの人が多いんでしょうか。

ばねばかりの値は動滑車だから力半分と勘違いしたんでしょうか。下の図を見てください。

下の図は同じものが解説にも載っているんですが、改めて

動滑車が力半分になる理屈をわかっていないと、間違えるんですよね。良い問題だったと思います。

 

おしまいは英語。

国語同様に、1月に引き続き村上先生のレビューを参考にしてください。

 

2024年2月 中3道コン英語レビュー

 

大問1問1の2 聞き取りーイラスト選択 期待得点率80% 得点率44.5%

時間の問題は聞き取るの難しいですよね…

 

大問3B2 適語選択ー下線部が示す内容 期待得点率60% 得点率37.0%

やっぱり、この問題正解率低いですよね。

私も何だかよくわかりませんでしたから(笑)

何かうまいこと言ってやろうとして、盛大に滑った感じがする文なんですよね「Then there is no roo to learn.」って。

 

大問3C3(1)適語補充ー動詞(improve) 期待得点率70% 得点率33.0%

恐らく、improveの意味がわからなかった(注釈にもない)ので、そもそも本文読むときから飛ばしてたんじゃないですかね。別解もありそうですが、improve(向上させる、進歩させる)よりも難しい単語になりそうなので、じゃあ最初からimproveでいいだろってことになりそうです。

 

大問4(2)英作文ーグラフからわかること 期待得点率50% 得点率16.5%

これ、模範解答例と採点基準表の別解例見たら、何でもありだってわかるんですが、受験生は考えすぎたってことでしょうね。過去問で似たような問題を解いた経験があれば「32 students ask their friends for some advice.」でも正解になるってわかるんですが(許容扱いです)。まあ私には、この解答が許容で、模範解答例が許容ではないという違いが分かりませんがね(many students で誤魔化すなよと思っている)。

 

今回の道コンは事務局が考えた予想問題です。

特に理科は、毎年のことですが、本気で当てに行っています。

よく復習しておくと、本番でいいことがあるかもしれませんよ。

 

それでは、今日はこのへんで。



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1月道コンの中学校別平均点集計にご協力お願いします

注:しばらくこの記事をTOPにします。

※:前回の集計の時にもあったのですが「データを送ろうとしたら中学校名が消えていた。中学校別平均点のデータ見たかったのに…」という方は、どうぞ”気にせず”データを送ってください。ダブってもこちらは構いません。あくまで「データを提供していただいた方にお礼として集計したものをお返しする」という趣旨ですので。

 

恐らく今日以降皆さんの手元に1月道コンの個人票が届くはずです。

例年同様、中学校間の学力格差を調べるため、前回の8月道コンと今回の1月道コンにおいて、各中学校の平均点を調査しております。

下のリンクからアンケートフォームに飛べますので、ご協力よろしくお願いいたします

 

1月道コン(中1)学校別平均点集計

(2月4日時点、データ未収集中学校名)

中央区:中央、伏見

北区:上篠路、篠路、篠路西、新川、太平、北陽、屯田北、屯田中央、光陽

東区:丘珠、栄、栄町、札幌、札苗、札苗北、東栄、福移学園、北栄、美香保、明園、元町

白石区:柏丘、北白石、幌東、白石、日章、東白石、北都、米里

厚別区:青葉、厚別、厚別北、厚別南、上野幌、信濃、もみじ台

豊平区:あやめ野、月寒、中の島、西岡、西岡北、八条、東月寒、羊丘、平岸、陵陽

清田区:北野、北野台、清田、真栄、平岡中央、平岡緑

南区:定山渓、澄川、常盤、藤野、真駒内、簾舞、藻岩

西区:琴似、西陵、八軒、八軒東、宮の丘

手稲区:稲積、稲穂、手稲、稲陵、前田、新陵、前田北、星置

 

1月道コン(中2)学校別平均点集計

(2月4日時点、データ未収集中学校名)

中央区:中央、中島

北区:上篠路、篠路、篠路西、新川、新川西、新琴似、新琴似北、太平、北陽、屯田北、屯田中央

東区:丘珠、栄、札苗、札苗北、福移学園、北栄、美香保、明園、元町

白石区:柏丘、北白石、幌東、白石、東白石、北都、米里

厚別区:青葉、厚別、厚別北、上野幌、信濃、もみじ台

豊平区:あやめ野、西岡、西岡北、東月寒、平岸

清田区:北野、北野台、清田、真栄、平岡中央、平岡緑

南区:石山、定山渓、澄川、常盤、藤野、真駒内曙、簾舞、南が丘、藻岩

西区:琴似、西陵、八軒東、発寒、宮の丘、陵北

手稲区:稲積、稲穂、手稲、手稲西、稲陵、前田、新陵、前田北、星置

 

1月道コン(中3)学校別平均点集計

(2月4日時点、データ未収集中学校名)

中央区:中島、伏見

北区:上篠路、篠路、篠路西、新琴似、北陽、屯田北

東区:丘珠、栄、栄町、札幌、札苗、福移学園、北栄、美香保、明園、元町

白石区:柏丘、北白石、幌東、北都、米里

厚別区:厚別、厚別南、上野幌、信濃、もみじ台

豊平区:あやめ野、中の島、東月寒、羊丘、平岸、陵陽

清田区:真栄、平岡中央

南区:石山、定山渓、澄川、常盤、藤野、真駒内、簾舞、南が丘、藻岩

西区:西陵、八軒東、陵北

手稲区:稲積、稲穂、手稲、前田、新陵、前田北、星置

 

なお、これは中学校別の平均点の集計であって、個人の得点集計ではありません。

そして、札幌以外のデータも貴重です。提供いただけるのでしたら歓迎いたします。

最後に、昨年同様にデータの公開はブログ上で行わず、データを提供してくれた方に返信する形でお伝えいたします。

そのためメールアドレスの記入が必須になりますのでよろしくお願いいたします



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1月道コンの平均点集計にご協力いただきありがとうございました

今回も、大勢の皆さんのご協力が得られました。ご協力感謝いたします。

提供していただいた方には、明日メールにてデータを送らせていただきます。

 

恐らく、大手塾さんは自分のところでこのようなデータを持つことができているはずです。

大手塾と個人経営の塾(塾に通われていない方)の間には、確実に情報格差が存在します。

その情報格差を少しでもなくすために始めたのが、この平均点集計だったりします。

また、札幌(北海道)の中での地域格差を知ってほしいという思いもあります。

こんな言い方をして非常に申し訳ないのですが、未収集のところに名前がいつも出てくる中学校(生徒数が少ないところは除く)は、恐らく教育熱がそこまで高くないところなんだと思います。

本当は、そういう地域の方にこそ見てほしいデータなんですがね。

理想は札幌市内の中学校完全制覇なのですが、そのためには、このブログをもっと広めないといけませんし、個人塾の先生方の協力も必要です。

頑張らないと。

 

それでは、今日はこのへんで。



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第6回道コンについて

鴨のワルツ先生、彼女の人生の中で最もヤバいテスト前だそうなので、今日はお休みです。

いつもなら、夕方や夜に連絡来るのが午前中に来たというのが、ヤバさを物語っています(笑)

 

さて、第6回の道コン。

速報が午前中に出て、総合資料も先ほど出ましたね。

出願変更の参考資料にするべく、事務局が頑張ってくれたのだと思います。

教科ごとの感想はまた後日書くとして、平均点やSSを見てちょっとだけ書かせてもらいます。

 

まず、問題をざっと見て、そして解いてみた感想としては「1月よりは平均点下がるかな」と思っていました。

国語は確実に下がる、理科と英語も若干下がりそう。数学と社会が同じくらいだとすると、10〜15点くらい下がるかもなぁ。そんな風に思っていましたが、蓋を開けてみると1月より平均点が上がるという…

そして、5教科合計のSSを見た感想。

南北志望者には厳しい判定出ますね、これ。

 

道コンのHPにある合格判定早見表を見ていただけるとわかりますが、南の98%って内申点315なら大体SS70なんですよ。

内申点305ならSS71ですね。

では、今回5教科総合でSS70オーバーが何人いるのか。9人です。71オーバーは2人。

つまり、南の98%はほとんどいないということですね。

北は内申点305でSS68.5かな。

そうなると44人ですね。

実際、この辺りの志望者は南が多いでしょうから、北が第1志望で98%出ている生徒なんて数えるほどでしょう。

平均点が高くなるとSSが渋くなるので、この辺りは仕方ないところです。

ですから、SSや合格可能性はあまり気にせずに志望者内順位を見ておいた方がいいでしょうね。

 

しかし、得点率見ると面白いですね。

作図6.7%かぁ…まあ、そうなるでしょうね。

あと、胆沢城の問題も6.6%ですか。

こういう問題は難しかったのではなく、他に原因があるんですよ。

その辺りは、感想にて。

 

それでは、今日はこのへんで。



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2024年1月道コンの感想など(中3編)

中学校別平均点集計もよろしくお願いいたします。

 

本日は中3の感想・解説です。

国語については、中2に引き続き村上先生のレビューを参考にしてください。

 

2023年1月 中3道コン国語レビュー

 

ちなみに期待得点率と得点率が20%以上乖離していたのはこの2問だけ。

 

大問1問3(2)慣用句ー浮足立つ 期待得点率60% 得点率37.5%

大問2問1の2 漢字の読みー埋没 期待得点率70% 得点率48.1%

 

なるほど、平均点が高かったのもうなづけます。

浮足立つを良いイメージで使うと思っている人が多いというのは意外でした。

ことわざ・慣用句も少しチェックしておいた方がいいかもしれませんね。

まあ、本番で出るかどうかは怪しい単元ではありますが。

 

続いて数学

大問1問6作図ー2辺に接する円の中心 期待得点率50% 得点率21.5%

うちの生徒の正解率が非常に高かったのでひょっとして簡単だったのかなと思いましたが、そんなことはありませんでした。

いつも書いているように、いきなりコンパスを持たずに、まずは完成予想図が書けたかどうかですね。

そして、角の二等分線の作図の仕組みの図を一度でも自分で書いたことがある人は、完成予想図を見た瞬間に気づいたと思います。

作図自体は単純ですが、そこに至るまでが難しいので非常に良い問題だと思いました。

 

大問2問3(1)イ多項式ー真ん中の数を表す式 期待得点率20% 得点率17%

大問2問3(2)多項式ーn行目の数の和を表す式 期待得点率10% 得点率9.5%

規則性が大問2に来ると、時間を取られて後ろの問題に影響が出るんですよね。恐らく、今回の問題が難易度的にはそうでもないのに平均点がそこまで上がらなかったのは、大問2に規則性を配置したからだと思います。

だからと言って、大問2と大問5を入れ替えても、あまり変わらなかったのではないかとも思いますが…

右端が行の2乗になっていることに気づくかどうかがポイントでしたね。

規則性の問題は、変化の割合が同じでなければ、大体2乗が式に絡んでくるということを覚えておくといいと思います。

 

大問3問3(2)ア関数y=ax”ーa=3/4のときのt 期待得点率10% 得点率9.0%

大問3問3(2)イ関数y=ax”ー点Bの座標の関係 期待得点率60% 得点率40.9%

この問3(2)アですが、ここまで得点率が下がったのは、CとDの座標の位置をうまく設定できなかったからではないかと思っています。通常、座標というのは交点に設定されることが多いので、この問題のCとDのように何もない空間に自分で設定することというのがあまりないんですね。問題としては正方形になるのは辺の長さが等しい時なので、AD(BC)=AC(BD)で方程式を作って解くだけなので、それほど難しくはありません。あと、最近は因数分解できなくて解の公式で解かせる問題が増えましたね。中学生にもたすき掛けを教えた方がいいのか、ちょっと悩みどころです。

 

大問4問2(1)ア証明ーCDと等しい辺 期待得点率80% 得点率54.1%

大問4問2(1)イ証明ー合同を示したい三角形 期待得点率70% 得点率35.0%

この証明。実は問1の角度の解き方で難易度が変わるというものでした。

問1の解き方はいくつかあるのですが、解説通りに∠ACB=∠ADB=60°を使った場合は、仮定のBD=BFと合わせて△DBFが正三角形とすぐにわかるのですが、∠DAC=∠DBC=39°から求めた場合は、△DBFが二等辺三角形だと思ってしまい、難しくなってしまったかもしれません。

 

大問5問2(1)データの活用ーBの9番目の得点 期待得点率50% 得点率8.3%

大問5問2(2)の1データの活用ーCのヒストグラム 期待得点率30% 得点率6.5%

大問5問2(2)の2データの活用ーCがふさわしい理由 期待得点率20% 得点率9.3%

大問5は、単に時間が足りなかったために、この得点率になってしまったという側面が大きいような気がします。解説は詳しく書かれていて大変ありがたいのですが、皆さんはあれを読んでわかりますか?(笑)データの分析については、文章ではなく、実際にどう考えているかを説明しているのを見る(聞く)方が理解しやすいと思います。問題としては良い問題だったと思いますよ。

ちなみに、これは裏話なんですが、私が持っている某問題集にそっくりな問題が載っていました(道コンの後に気づいた)。仮に事前に解いていたら、ほとんどの人が解けていたと思います。いつかはわかりませんが、三重県の公立入試で出題された問題のようです。

 

お次は社会

大問1問1(1)地理ー赤道と本初子午線 期待得点率70% 得点率49.3%

大問1問2(3)歴史ー元禄文化(記述) 期待得点率50% 得点率21.0%

大問1問4(1)歴史ー日本とロシアの国境 期待得点率60% 得点率29.5%

問1(1)は赤道と本初子午線が交わる場所はさすがに間違えないでしょうから海の名の方でしょうね。三大洋と日本の周りの海は知っていてもそれ以外は知らないという生徒は多いかもしれません。ただ、黒海は最近のウクライナのニュースを見ていれば違うと分かりますし、地中海は気候などでおなじみ。ペルシャ湾も原油絡みで聞かれることが多いので、消去法でギニア湾を選ぶことはできたかと。そもそもギニア湾を知っていてほしいのですが。

元禄文化と化政文化、ごっちゃになっている受験生多いですね。うちの生徒にも江戸と各生徒が続出しました…文化は盲点になりやすいので、入試前に必ず復習しておくことをお勧めします。

問4は間違えた人の大半がイだったと思います。それは現在の国境ですね。多分最後の行の2と3が並んだところしか見ていないんでしょう。

 

大問2問2戦乱ー承久の乱・応仁の乱(記述) 期待得点率40% 得点率22.5%

大問2問4年代並べ替えー明治時代〜昭和時代 期待得点率40% 得点率15.8%

大問2問5の1と2世界ー大正時代のアジア 期待得点率60% 得点率31.6%

大問2問6の1と2政治ー戦後の日本の政治 期待得点率60% 得点率38.2%

大問2問6語句政治ー戦後の日本の政治 期待得点率60% 得点率29.5%

今回は歴史がポイントだったようですね。問2乖離が20%超えていませんが得点率が低かったので取り上げます。このように、それぞれのできごとの後に世の中がどのように変化したのかをまとめるのは、歴史の勉強をする上で非常に役に立ちます。この資料2や3を参考にして、歴史上のできごとを整理したカードを作ると良さそうですね。

問4の並べ替えは正直えぐかったです。アはラジオ放送、イは八幡製鉄所(日清戦争後)、ウは世界恐慌、エはヨーロッパでの戦争(第一次世界大戦)とキーワードがありますが、アがラジオ放送ではなく義務教育という語句に引っかかって、明治初期と判断してしまうと間違えてしまいますね。並べ替えは自分が知っている出来事そのものが出題されなくても、それを手掛かりに推測することは可能です。

問5は五・四運動の起きた場所の方が不正解だったのでしょうね。

そして問題の問6。

これ、解答欄を書き間違えて不正解という生徒が一定数以上いたのではないかと思われます(うちにもいました)。

注意力が足りないという意見もあると思いますが、もう少し配慮があっても良かったのではないかと思います。

 

大問4問1人権ー子どもの権利条約(資料) 期待得点率50% 得点率92.6%

大問4問2語句政治ー行政改革 期待得点率60% 得点率26.0%

問1は…なぜこの問題が期待得点率50%だとしたんですかね(笑)実際、文章の意味が分かれば解けます。少なくとも社会の問題ではないです。

問2は間違いのほとんどが規制緩和だと思います。気持ちは分かります。国から民間へできるだけ仕事を移しというところを読めば、それでもいいだろうと思うでしょう。ただ、直前の「無駄な仕事を減らして効率化を進める」と合わせると違いますよね。

 

続いて理科。

大問1問2光ー屈折した光の道すじ 期待得点率60% 得点率20.4%

大問1問4空気中の水ー水の循環 期待得点率70% 得点率21.8%

問2はウって書きましたね。長方形のガラスを向かい合う面を通るように光が進むときは確かにそうなんですが、これは台形のガラスでしかも側面に抜けていきます。屈折するときの決まりをしっかり当てはめれば難しくないのですが、暗記はダメだという典型的な問題でしたね。

水の循環も盲点だったのではないかと思います。これ、海だけで考えた方が多分わかりやすいですよ。

 

大問2問3(1)の2動物の分類ー気門(語句) 期待得点率60% 得点率21.4%

生物は得点率高めになるのですが、今回もでしたね。そんな中で唯一得点率が低かったのがこの問題。単に知らなかった(忘れた)だけだと思います。

 

大問3問2(2)電池ーダニエル電池のイオン 期待得点率40% 得点率11.9%

ダニエル電池のイオンの動きは定番なのですが、これも暗記ではなくしっかり説明できるようになっているかがポイントですね。イオンは電気的にバランスを取るように動くと覚えておきましょう。

※ここでリコリス・リコイルの真島さんが「バランス取らねぇとなぁ!」という台詞を言うのを思い出す人はマニアです。

 

大問4問3電流と磁界ー磁針のN極の向き 期待得点率40% 得点率15.6%

大問4問4(1)電流と磁界ー電磁誘導 期待得点率60% 29.6%

問3…なぜ、この得点率なんでしょう。完全解答だから?うーん。

問4(1)も、モーターを選んだ人がこんなにたくさんいるんですか。電磁誘導って電流が流れるんですよ?電気を作ろうとするものを選ばないと…

 

大問5問5地震ー震源距離と時間(作図) 期待得点率20% 得点率11.3%

今回の地震の問題は非常に良い問題だったと思います。ここには載っていませんが、問2の式を聞く問題や、問4の震央を選ぶ問題等。そして問5の緊急地震速報に関するグラフを書く問題も、そのままの数字(座標)だと点が取れないから、傾き(変化の割合)を調べてから書くというのが、ワンクッション置いてあっていいと思います。

 

大問6問1物体の運動ー鉄球にはたらく力 期待得点率70% 得点率35.9%

大問6問2物体の運動ーエネルギーの値 期待得点率60% 得点率35.7%

大問6問4物体の運動ー最高点の高さ 期待得点率60% 得点率34.1%

まだ速さと力を間違える人がいるんですね。速さがだんだん大きくなるからって、力も大きくなるわけではないですよ。等速直線運動のことを考えてみてください。等速だからって同じ力が働くんですか?進行方向に力がはたらかない、またはつり合っている時に等速直線運動をするんです。斜面を転がる物体も、同じ大きさの重力で引っ張られるのでだんだん速くなるんです。

問2は、単に図1を見てDの運動エネルギーを100と書いたのだと思います。問題よく見ましょう。

問4も定番の問題なのですが、振り子とかなら静止するので運動エネルギーが0になるから最高点まで上がりますが、ジャンプした鉄球は動き続けるので運動エネルギーは0にならない=最高点までは上がらないんです。

 

大問7問3天体の動きーオリオン座の南中時刻 期待得点率70% 得点率34.4%

大問7問4天体の動きー月の位置と形 期待得点率60% 得点率36.0%

問3、問い4ともに、まだ天体を学習したばかりで、問題演習が不足しているだけです。私がどうこう言うような難しい問題ではありません。

 

おしまいは英語。

 

英語も村上先生がレビューを書いてくれているので参考にしてください。

 

2024年1月 中3道コン英語レビュー

 

大問1問2の4聞き取りー応答文選択 期待得点率70% 得点率19.5%

リスニング自体はそれほど難しくなかったと思うのですが、この問題だけ突出して得点率が低かったのは、Shall we leave now?という質問だけから答えを選ぼうとしたので、Wellから始める文を選びにくかったんだと思います。内容をきちんと把握していれば特に問題ないのですが。リスニングのテクニック的なものに頼ろうとすると、間違えてしまうんでしょうね。

 

大問2問3(2)英問英答ーHow many ~ ?などの文 期待得点率60% 得点率25.8%

この問題、実は私の生徒2人が全く同じ間違いをしましてね。「How many bears in the zoo?」という解答です。主語と動詞を含む一文でという指示なので不正解なのですが、そもそも「are there」を抜いた文って成り立つんですかね。2人が同じ間違いをしたというのは、教科書か何かで同じ文があったからなのではないかと思っているのですが。

 

大問3B問3 英問英答ーWhat/Why ~ ?の答え 期待得点率30% 得点率14.4%

大問3C3(2)適語補充ー助動詞(should) 期待得点率30% 得点率21.2%

シグマゼミの八反田先生がツイートしていたんですが、3Bの3行目から4行目にかけての「Many tourists make the local people's live difficult.」の live って間違ってますね。正しくは lives です。実際3Cでも大問4でも1行目に lives という形で登場します。

そして問3なのですが、この答えちょっと納得いかないんですよね。「地域の人たちは新しい看板に何と書きましたか。そしてなぜ?」と聞いていて、答えが文中そのままの「地元の人たちの畑に対する愛情を共有するために、彼らは看板に力強いメッセージを書きました」なんですよ。でも、これまでの文の流れだと観光客が立ち入り禁止のような看板を立てても効果がなかったので新しい看板を立てたはずなんですよね。そちらを理由とするのはダメなんでしょうか?

そしてCは今流行のもので長文を作っていたけれど、何だか話がごちゃごちゃしてよくわからなくなっていませんか?そもそも、この目覚まし時計の話はナッジ理論なのだろうか…トイレの「いつもきれいに使っていただいてありがとうございます」とか、もっとふさわしい例があるはずなのに。

そしてここには出てきていませんが問4について一言。いつの頃からか内容把握の問題形式が変わり、内容に合うものをすべて選びなさいになって、しかもそれが完全解答になったのですが、これ公立入試が去年からこの形式になったからなんですよ。

私、この問題形式は「良くない」と思っているんです。おそらく記号問題で偶然正解することを防ぎたいからだと思うのですが、これ続くんですかね

 

大問4(1)英作文ー資料からわかること 期待得点率70% 得点率20.0%

え?これレストランか病院のどちらかだけでいいんですか?どちらにも〇がついているので両方じゃないとダメだと思っていました。

 

先日解き直しの話もしましたが、この時期になるとどうしても新しい問題に目を向けがちです。

ですが、今までに解いてきた問題、もう一度解いてみてしっかり正解にたどり着けますか。

一度解いた問題を繰り返すことは、一見非効率的にも見えますが、しっかり自分のものにするためにはやはり何度も解いてみることが重要なのです。

道コン・学力テスト・定期テスト。

もう一度解きなおしてみてはいかがでしょうか。

 

それでは、今日はこのへんで。



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2024年1月道コンの感想など(中2編)

大変お待たせいたしました。1月道コンの感想、今日は中2編です。

中3編は明日書けたらよかったのですが、多分明後日になってしまうと思われます。

今しばらくお待ちください。

全ての問題を取り上げるのではなく、道コン事務局が想定していた正解率(得点率)と実際の得点率が20%以上乖離していた問題を中心に(元々の期待得点率が低い問題も)お届けします。

なお、国語と英語については村上先生がレビューを書いておりますので、そちらを参考にしてもらうことにします。

 

2024年1月 中2道コン国語レビュー

 

2024年1月 中2道コン英語レビュー

 

それでは数学から。

大問1問1(3) 多項式の計算:期待得点率80%、得点率51.9%

大問4問3 1次関数ー面積が等しくなるaの値:期待得点率10%、得点率2.3%

大問5問1ウエ 証明ー等しい角(同位角):期待得点率70%、得点率44.2%

 

実は、数学この3問だけなんです。

 

得点率20%台の問題もありますが、それはそもそも期待得点率が低く設定されていたんですよね(大問1問7作図、大問2問3体積比、大問2問4(2)連立方程式の文章題、何人分か、大問3問2AーB=594となるA、大問5問2平行と合同ー∠C’DBの大きさ)。

ここでは、大問4問3だけ取り上げることにします。

模範解答では、△AOBと△DOPの面積が等しいことを使って解いていましたが、Dのx座標を文字を使って表すことでy座標も文字を使って表すことになり、その座標を使って△AODと△DBPを直接求めることもできます。

※D(d,2d+6)

他にも採点基準表には別解例がいくつか紹介されていましたが、要は座標を文字を使って表すことができるかどうかというのが、この問題を解く上でのポイントでした。みんな苦手なんですよね、これ。

 

次は社会。

と行きたいところだったのですが、なんと採点基準表の裏にある期待得点率の表が、いつのものだかよくわからないものになっていたため、得点率との乖離が全く分かりません(笑)

珍しいですね、道コンさんのこういうミス。

得点率が低い問題は大問1に集中していたようですが、中1の学習内容なので単に忘れている(アメリカの農業分布なんかはベタ問題なのに19.0%とかありえない)のか、今の中学生は世界の国を知らない子が多い(ツバルとか聞いたことないでしょうね)からだと思います。

 

おしまいに理科。

たくさんありますよ(笑)

大問1問2 地震ー地震Xが発生した時刻:期待得点率60%、得点率31.5%

大問1問5 ゆれを検知する時間の差:期待得点率40%、得点率11.8%

 

大問2問2 音ー図2の音の振動数:期待得点率50%、得点率13.4%

大問2問3の1 音ー図2と図3の比較:期待得点率60%、得点率34.4%

大問2問3の2 音ー図3と図4の比較:期待得点率50%、得点率5.3%

大問2問4 音ー音の伝わり方:期待得点率90%、得点率55.9%

 

大問4問1の2 化学変化ー混合物ができる操作:期待得点率70%、得点率49.8%

大問4問2 化学変化ー発生するもの:期待得点率60%、得点率30.6%

大問4問4 化学変化ー実験の結果:期待得点率60%、得点率31.2%

 

大問5問3 刺激と反応ー脳の判断と命令の時間:期待得点率70%、得点率10.6%

 

大問6問2 基本操作ー加熱をやめるときの操作:期待得点率60%、得点率13.8%

大問6問3 化学変化ー発生した気体の質量:期待得点率60%、得点率31.9%

大問6問4 化学変化ー混ぜた炭素の質量:期待得点率30%、得点率2.6%

 

大問7問1 気象観測ー高気圧の中心付近の流れ:期待得点率70%、得点率49.3%

大問7問3の1圧力ースポンジにはたらく圧力:期待得点率40%、得点率20.0%

大問7問3の3圧力ー重なる直方体の個数:期待得点率30%、得点率15.6%

 

大問8問1の1 空気中の水ー湿度:期待得点率50%、得点率17.3%

大問8問3の2 前線ー寒気や暖気の様子:期待得点率70%、得点率27.9%

 

大問9問3(2)電流の性質ー回路全体の電力量:期待得点率20%、得点率8.8%

いつもなら大問ごとに細かい感想を書くのですが、今回は一言でまとめます。

得点率の乖離が大きいのは「計算問題」か「記述問題」がほとんどです。

期待得点率が高い=難しい計算ではないということなのですが、計算問題というだけで敬遠してしまう(思考停止してしまう)という生徒がかなりの数いるようですね。

今回の計算問題で手ごわかったのは大問6問4だけですよ。

さすがの得点率2.6%でしたので、この問題だけ解説します。

ちなみにこの問題、解答解説だけだとちょっとわかりにくいと思います。

なので、こちらは少し説明がくどいかもしれませんが、それぞれの物質の量を全て求めたものになります。

 

 

といった感じでした。

中3の感想はもう少し細かく書くつもりです。

中2はどうしても、そこまで気合入れて書けないんですよね…

 

それでは、今日はこのへんで。



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1月道コンの速報を見ての感想

1月道コンの速報が今日出ました。

 

こちら

 

中3は暫定版が出ていますが、統一するために速報の数値を使って話をしようと思います。

 

2024年1月 中1

科目 平均点 難易度 SS40 SS50 SS60
国語 62.7 ☆☆☆ 46 63 79
数学 51.9 ☆☆☆☆ 32 52 72
社会 58.0 ☆☆☆ 36 58 81
理科 61.9 ☆☆ 40 62 84
英語 62.5 ☆☆☆ 40 63 85
合計 297.2 ☆☆☆ 206 298 390

昨年は国語と数学が極端に平均点が低くて、英語の平均点が高いという風にバランスが悪かったのですが、今年はまとまってますね。
ただ、数学の点数が昨年に続いて低いのが気になります。

問題が難しかったのか、それとも数学の力が落ちているのか。

そして平均点が高かった国語ですが、ばらつきがとんでもなく小さいですね。

平均点は高くても高得点は取りにくかったというのがわかります。

この辺りについては村上先生のレビューを見てください。

 

2024年1月 中2

科目 平均点 難易度 SS40 SS50 SS60
国語 62.3 ☆☆☆ 42 62 83
数学 52.0 ☆☆☆ 28 52 76
社会 56.3 ☆☆☆ 34 56 79
理科 49.5 ☆☆☆☆ 29 50 70
英語 62.8 ☆☆ 37 63 88
合計 283.2 ☆☆☆ 182 284

386

こちらも中1同様、きれいにまとまっているかと思いきや、理科は平均点50点切ってますね。

そして数学と英語のばらつきの大きさが…

英語はこれだけ平均点が高くても、点数取れない子がいるということですね。

二極化が最も進んでいる教科とも言えます。

 

2024年1月 中3

科目 平均点 難易度 SS40 SS50 SS60
国語 67.9 52 68 84
数学 48.1 ☆☆☆☆ 30 48 67
社会 52.0 ☆☆☆☆ 31 52 74
理科 53.4 ☆☆☆ 32 53 75
英語 54.2 ☆☆☆ 31 54 77
合計 275.9 ☆☆☆ 186 276 367

国語の平均点がかなり高めですが、その割には90点以上取るのは難しかったと。

差がつきにくい問題だったようですね。

面白いのは数学・社会・理科・英語のSS40ラインはほぼ同じなのに、SS60ラインにかなりの差ができていること。

数学はやはり高得点は取りにくかったようです。

逆に言えば、今回最も人と差をつけることができた教科は数学だったと言えます。

 

次に、直近5年の平均点と比べてみましょう。

 

直近5年の1月合計平均点(中1)

2024年:297.2(速報)

2023年:283.6

2022年:312.5

2021年:303.0

2020年:272.9

2020年が極端に平均点が低いですが、この年から500点満点が始まったんですよ。そうです、様々な教育改革の初年度に当たっている現高2世代です。

今年は昨年に比べると平均点は上がりました。まあ、過去との比較から見ても標準的な出題だったと言えるのでは。

 

直近5年の1月合計平均点(中2)※300点満点の時のものは500点満点に換算してます。

2024年:283.2(速報)

2023年:260.6

2022年:273.5

2021年:275.7

2020年:274.2(※300点満点)

昨年難しかった分調整したのでしょうが、結果的に5年間で最も平均点が高くなってしまいました(しかも10点近く)。

昨年と比べると+23点ですから、過去問から大幅に得点が上がって喜んでいたら、SSはそれほど上がっていなくてぬか喜びというパターンになりそうです。

 

直近5年の1月合計平均点(中3)※300点満点の時のものは500点満点に換算してます(裁量問題)

2024年:275.8(速報)

2023年:259.6

2022年:275.8

2021年:294.5(※300点満点、裁量問題)

2020年:311.7(※300点満点、裁量問題)

2021年までは300点満点だったことに加え、裁量問題受験者の平均点でしたので、若干高めに出ていると思ってください。実際、標準問題受験者の平均点は問題が簡単なのにもかかわらず、これよりも低いので。

昨年難しかった反動か16点の上昇となり、一昨年と同じになりました。

色々な話を聞いていて、どうなるかと思っていましたが、結果的には昨年よりも11月道コンよりも大幅に上がる結果になりました。

 

11月:261.2

10月:248.6

 8月:257.5

 4月:268.0

 

ここまで上がるとは思わなかったなぁ…

 

総合資料が出たら、中3道コンの感想を書きますね。

明日はJDコラムなので中2が木曜、中3が金・土といった感じになりそうです。

 

それでは、今日はこのへんで。



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2023年11月道コンの感想(後編)

さて、英語だけの後編となったわけですが、まずはこの平均点と分布を見てください。

 

 

いやー、久々に見ましたね。こういう分布。

最も割合が高い階級が15〜20点ですからね、100点満点のテストで。

よほど難しかったんでしょうね、問題を見ないでこの分布だけ見た人はそう思うでしょう。

違うんです。

難しかったのではなく「酷かった」んです。

じゃないと、英語だけで後編書いたりしませんよ(笑)

ただ、村上先生はレビューでそこまで酷評していません。

 

2023年11月 中3道コン英語レビュー

 

うーん…今度会った時に話してみるか。

ん?10月の道コンってそんなに難しかったんだっけ?

 

 

ほんとだ、平均点11月より低いじゃん。

これ、10月と11月って連続で受けた人の中には英語がトラウマになる人がいるのでは…

まあ、11月に関しては問題が酷かっただけなので、そんなに気にしなくていいですよ。

 

とりあえず他の教科同様に期待得点率と乖離が大きい問題は取り上げますが、それ以上に私がおかしいと思った問題は全部取り上げさせていただきます。

 

大問1問1・2聞き取りーイラスト選択:期待得点率80%、得点率60.1%

大問1問2・1聞き取りー応答文選択:期待得点率80%、得点率47.4%

大問1問2・2聞き取りー応答文選択:期待得点率70%、得点率50.3%

大問1問2・3聞き取りー応答文選択:期待得点率80%、得点率35.3%

大問1問2・4聞き取りー応答文選択:期待得点率70%、得点率34.1%

大問1問3・1聞き取りー英文選択:期待得点率60%、得点率35.9%

今回のリスニングは、作問者がひねった問題を作ろうとしすぎて、訳が分からない問題ができてしまった。そんな印象を強く持ちます。問1はまだしも、問2はNo.1を除きチャイムの前の疑問文に対しての返答(答え)がひねくれているものばかりです。転載できないのとわかりやすくするために、あえて日本語で書きますが(前後の文だけ)

 

No.2:彼女に何が起きたの?(答え)彼女は僕に何も言いませんでした

No.3:あなたはそれをいつ手に入れたの?(答え)うーん、それ僕のお父さんのものなんだ。

No.4家に帰る前にそこに行くのはどうですか?(答え)そこでアップルパイを買ってもいいかな?

 

No.2は何が起きたの?と聞かれたのに何があったかを答えない。

No.3は「いつ」と聞かれたのに時に関する答えではない(他の選択肢に「next month」や「yesterday」はあるが、時制が合わなかったり動詞がおかしいので消去法なら答えられるが…)

No.4は「どうですか」という文に質問で返している(質問する前に「いいね」くらい言え)。

 

これを1回読みで答えろというのですから。動揺している内に次の問題に進んでしまい軽くパニック状態だったのではないかと思います。

問3は、スピーチの英文の前半部分が問いに全く使われないという…問1から問3までが後半だけ聞いていれば答えられるというバランスの悪さ。しかもNo.1は登場人物の発言と態度から気持ちを推測しろという奇問。

なんなんですかね。

 

大問2問1(1)適語選択ー一般動詞(get):期待得点率80%、得点率51.0%

大問2問1(2)適語選択ーon the other hand:期待得点率70%、得点率51.4%

大問2問2(1)適語補充ー後置修飾(held):期待得点率60%、得点率21.2%

大問2問2(2)適語補充ーdidn't have to:期待得点率70%、得点率20.0%

まずは問題の良し悪しとはちょっと関係のない話を。

とある塾で、道コンの直前の英語の授業で「on the other hand」が取り上げられたそうです。

へー、すごいですねー(棒読み)

私、もうこのブログ書いて15年になりますが、10年以上前から、この手の話が絶えないんですよ。

生徒に「〇〇先生が言ってた問題、テストに出たよー」と言ってほしいのでしょうか。

もし、似たような事例がありましたら(聞いた話はダメです、自分の通っている塾であった話だけにしてください)、コメントやメールで教えてください。

塾名は出しても出さなくてもどちらでもいいです(塾名をコメントで出した場合は非公開で対応します)。

 

さて、問題の感想に戻りましょう。

問2は、(1)は看板に「主催」の文字があるから「hold」の過去分詞が「held」とわかるかどうか。

※解答解説では「heldの過去分詞のholdで表す」と全く逆のことが書いてます。

(2)は、国際交流パーティーの絵の中の外国人が「こんにちは。学生さんですか?」「飲み物はいかがですか?」と話しかけていて、それに対して「はい、いただきます。」と返している場面を見て、However, Nao didn't (    ) to speak English then.の空欄に入る英語1語を答えろと。

吹き出しの中のセリフが英語ではなく日本語で書かれているから「英語を話さなくてもよい」と解釈しろということだそうです。

 

は?なんだそりゃ?

 

問3(1)は上では取り上げていませんが、採点基準表の別解が酷かったので取り上げることにします。

女の子が筆箱の中を見て「Oh,no! I can't find my pen.」と言っているのに対し、隣の男の子が右手でペンを差し出し…

この時の男の子のセリフを主語と動詞を含む1文で答えるのですが、模範解答例がYou can use mine.(僕のものを使っていいよ)

これはいいんです。問題なのは別解例を載せている採点基準表。

 

You can(should) use this(that/it/mine).

You can borrow my(this/that) pen(pencil).

I will lend you my pen.

Here you are.(許容)

 

え?

 

Do you use my pen?

Do you want to my pen?

Shall I lend you my pen?

Is this your pen?

 

なんで、こういった別解例が載ってないの?採点基準表の意味なくない?

それとも解答作成者が、そういった解答があることに全く気付かなかったのでは。

私は4つ目の答え見て「なるほどなー」と思いましたよ。男の子がペンを貸すとばかり考えていましたが、落ちているペンを拾って「これ君の?」と尋ねるケースも十分あり得ますよね。何なら「これ落ちてたよ」とかでもいいわけです。

ちなみに「Please use my pen if you don't mind.」と書いた生徒がうちにいましたが、もちろん正解にしました。まあ、隣の席の子にこんな丁寧な言い方をするかと言われると、まあ(笑)

 

大問3C1 適文選択ー文脈理解:期待得点率60%、得点率37.1%

大問3C2 適語選択ー下線部が示す内容:期待得点率60%、得点率39.2%

大問3C3(1)適語補充ー使役動詞(helps):期待得点率40%、得点率5.0%

Aの問1(1)と問2について、ぜひ書かせてください。

ポスターを読んで答える問題なのですが4枚のポスターの配置が

Tom Ms.Ohta
Eri Mr.Kato

こうなっているのですが、問1(1)の選択肢がア Tom's イ Ms.Ohta's ウ Mr.Kato's エ Eri's となってまして。

 

何でEriとMr.Katoの順番が入れ替わっているんですか?

 

これ、わざとなら相当性格悪いですよ。

これで生徒が間違えたのを見て「問題よく見ましょうね」とか言っている先生がいたらぶっ飛ばしていいです。

作問する側のミスか悪意ですから、解答した生徒は何も悪くないです。

そして問2。

Eri先生がポスターで自分のダンス教室の案内をしているのですが、一言メッセージ的な所でこんなこと書いているんです。

It's so cold outside.However, you (    ) in the center. It's good for helth!

かっこの中に入る適当な英語を書けという問いですが、模範解答が

 

You (can enjoy dancing) in the center.

 

ん?

前に書いてある「外はとっても寒いですねー」は無視か?

採点基準表の別解例を見ても、ダンスのことしか書いていません。

じゃあ「外はとっても寒いですね」とか書くな!

 

You (can be warm with dancing) in the center.

You (can be warm if you dance) in the center.

 

私ならこう書きます。

Bについても書きますね。これは問いよりも本文に納得できない部分が。フクロウを飼いたいという弟に対して「それを聞いて驚いた」けど「OK」って言ったらダメでしょ…いや、このOKは飼うことに対してのOKではなく、単にお前の言うことはわかった的な意味でのOKなんでしょうが。

Cは「ファクトチェック」という今どきのテーマでの長文なので面白くはあります。問3(1)は後ろの「us create」を見て目的語+原型不定詞を読み取れるか。

 

大問4は、比較的書きやすい作文だったと思います。ここに時間をかけれなかった人は作戦ミスですね。もったいなかった。

 

実はこの英語の問題を、熟長会の時に、とある先生に見ていただいたんですよね。

その時に言っていたのが

「私たちがテストを作る際は、先生1人に全て任せるのではなく、原案を出してもらってから教科担当の先生たちで色々チェックをかけて修正していきます。この問題は原案がそのまま出てきたような印象を受けますね。」

そうなんです。私も同じ印象を持っていました。

作問者と採点基準表を作った人が同じ人なのかはわかりませんが(多分同じでしょう)、1つの方向しか見ていなくて他の解釈や他の解答の余地があることに全く気付いていない。それを指摘されていないといった感じを受けました。

果たして、この問題に作問者以外の人間のチェックが入っていたのか。ちょっと疑問ですね。

 

さて、ここからは毎回話していることを。

今回の結果はあくまでも「この点数(SS)で本番だったらどうなるか?」ということを示しているのであって、あなたの未来がこうなると決まったわけではありません。今回の結果は進路決定の参考にはなるかもしれませんが、今回の結果で進路が決まったわけではありません。できなかった教科・単元が見つかったのであれば、まだ3か月時間があることに喜んでください。克服するための時間は、まだ十分に残されています。一番やってはいけないことは、できないもの(わからないこと)から目をそらすことです。できないこと(わからないこと)があることは恥ずかしいことではありません。そんな自分を受け入れて、受験勉強を続けてほしいと思います。

 

それでは、今日はこのへんで。



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2023年11月道コンの感想(前編)

総合資料が出てしばらく経ってしまいましたが、11月道コンの感想と解説を書きたいと思います。

いつものように、期待得点率と実際の得点率に著しい(20%以上が目安)乖離があった問題と、そもそもの期待得点率が低かった(20%以下)の問題について取り上げます。

 

まず国語については、いつものように村上先生のレビューを参考にしてください。

 

2023年11月 中3道コン国語レビュー

 

本当は「ない」の識別について書こうと思ったのですが、村上先生が「詳しく知りたい方はぜひFiveSchools『中学国語基礎Lesson(文法編)』をどうぞ。」と宣伝?しているので営業妨害になるためやめておきます(笑)

 

採点基準が不可解という点については私も同意ですね。

大問3の問6、「いかにアンティークを好きなのか、自分の鑑識眼に(いかに)自信を持っているかが、しっかり表れていたから」

「いかにアンティークを好きなのか」が採点要素A、「自分の鑑識眼に(いかに)自信を持っているか」が採点要素Bなのですが、多分どちらかに「いかに」や「とても」に相当する語句がないと1点減点という指示なんです。でもわかりにくい(笑)

問7は「訪れた人を受け入れ、日常の煩雑なことを(しばらく)忘れさせてくれる幻想的な世界が広がるアンティークショップを(、いつか自分で)持つこと」

「訪れた人を受け入れ」が採点要素A、「日常の煩雑なことを(しばらく)忘れさせてくれる」が採点要素B、「幻想的な」が採点要素C、「アンティークショップを(、いつか自分で)持つ」が採点要素Dです。

これ、「A、Cのどちらか一方で可」という指示が出てますが、村上先生の言う通り「B、Cのどちらか一方で可(というかBの方が詳しいのでCのみの場合は減点)」が妥当ですよね。

昨年の11月道コンの感想の時も採点基準に対して色々書いていましたが、こういうのって誰かがチェックしたりはしないんですかね(フラグ)。

 

お次は数学。

大問1問5 作図ー直角の3分の1の作図:期待得点率40%、得点率22.4%

大問1でこの得点率は珍しいですね(その1)。恐らく誤答は、∠PCDの方が2分の1になってしまったパターンか、単に2分の1という文だけで角の二等分線と思ったかのいずれかでしょう。前者であれば、まだいいのですが、後者の方は…この作図の問題だけに限らず、他の問題や他の教科でも問題の読み間違いが多いのではないでしょうか。読み間違いではないですね、問題文の意図していることが読めていないと言った方が正しいかもしれません。

 

大問1問6 確率ー素数になる確率:期待得点率50%、得点率34.8%

大問1でこの得点率は珍しいですね(その2)。どれが素数かわからなかったのだと思いますが、最も多い誤答は7/20だったのではないでしょうか。51を素数扱いしたのだと思います。3の倍数・4の倍数・9の倍数の見分け方を知らないのでしょうね。

※3の倍数は各位の和が3で割り切れる(例:255→2+5+5=12)、4の倍数は下2ケタが4で割り切れる(例:3128→28は4で割り切れる。なお下2ケタ00もOK)、9の倍数は各位の和が9で割り切れる(例:513→5+1+3=9)

 

大問2問1(2) いろいろな関数ー正しいものを選ぶ:期待得点率50%、得点率24.2%

イとエの判別ですかね。解説の通りでございます。

 

大問2問2(1) データの活用ー中央値を含む階級:期待得点率70%、得点率50.9%

中央値の求め方を知らないということはなさそうなので、階級値を知らないor15~20と答えたかでしょうね。

 

大問3問1 関数y=ax"ーbの値を求める:期待得点率70%、得点率49.1%

これが得点率半分切るってどういうことだろう(その1)…x=bが何を表しているかわからなかったのだろうか…x座標を求めろって言われたらもう少し上がったんですかね。それか±5って答えたり5って答えた子が多かったのか。グラフをよく見てねとしか言えませんね。

 

大問3問2(Z) 関数y=ax"ー線分どうしの距離:期待得点率70%、得点率49.0%

これが得点率半分切るってどういうことだろう(その2)…もう問題を解くことを放棄しているとしか思えませんね。

 

大問4問1イ 証明ー合同な図形の対応する辺:期待得点率60%、得点率12.2%

誤答はCF=CEなのですが(というかこれしかない)、多分、次の「したがって△CAD:△CBD=AC:BC」を見ていないか、何を表しているかがわからなかったかのでしょうね。高さが等しいので底辺の比が面積比に等しいということなのですが。

 

大問4問3 相似ー線分AKとKJの長さの比:期待得点率30%、得点率1.8%

結局、今回の満点阻止問題はこれだったのですが、期待得点率を見てもらってもわかる通り、作成側はそこまで難問とは思っていませんし、実際、私もそこまで問題自体は難しくないと思います。ただ、この問題を難しく錯覚させたのは問題文の書き方です。

「有さんと翔平さんが証明したことを利用して」これを変に重く考えすぎたのでしょう。単に「二等分線の比」を使えというだけの話だったんですがね。

ちなみに、有さんと翔平さんは日ハムの背番号11コンビですが、受験生にはそんなことを考える余裕もなかったでしょう。というか、野球に興味のない子にとっては何のことやらという話でしょうが(笑)

 

大問5問1 空間図形ー円すいの体積:期待得点率70%、得点率22.3%

大問5問2ア 式の利用ー弧の長さを表す式:期待得点率50%、得点率23.4%

大問5問2イ 式の利用ー円周を表す式:期待得点率60%、得点率38.4%

大問5問3 二次方程式ー円柱Bの高さ:期待得点率10%、得点率8.6%

大問5はまとめて。問1と問2に関してはいつものパターンです。最後の問題は難しいと思って全く手をつけなかった受験者が多かったということだと思います。問1なんて大問1で出題したら悪くとも得点率50%は超えますよ。まあπ(パイ)を書き忘れてバツという人も多いため、この得点率になったという可能性もありますが。問3は…これで期待得点率10%ですか。相変わらず事務局ん考えていることはわかりませんね…

 

次は社会

大問1問2 公民ー効率と公正:期待得点率40%、得点率16.8%

大問1問3(1)歴史ー藤原道長・足利尊氏:期待得点率60%、得点率32.3%

大問1問4(3)地理ー北方領土・ロシア:期待得点率80%、得点率38.4%

大問1問6(1)歴史ー織田信長がやったこと:期待得点率50%、得点率22.8%

問2は正直私もわかりませんでした。公民分野では盲点になるところですからね。問3は新しい形式の問題。私は結構好きです。ロシアの首都がモスクワって知らないものなんですね。私は毎年、世界の主な首都を生徒に覚えてもらうのですが、どんなに「これくらいは知っているだろう」と思っている都市も出題するんですよね。ビックリするくらいに知らなかったりするので。問6(1)は比叡山延暦寺の場所ですね。誤答はCだと思います。「比叡山」って言われたら山だから紀伊山地のある方って思いますよね(Cは高野山金剛峰寺です)。

 

大問2問3 年代並べ替えー昭和時代:期待得点率40%、得点率6.0%

年代並べ替えは毎回得点率が低くなりますが、昨年に続き昭和時代の並べ替えが出題されました。しかも公害対策基本法とか新日米安全保障条約とか微妙にずらしてきましたね。これはこの得点率でも致し方ないかと。わからない中での手掛かりとしては

ア:高度経済成長期に公害が発生したので下の資料とも合わせて1960年代後半?

イ:警察予備隊ができたのは朝鮮戦争(1950年)の時だから、その後となると1950年代中盤?

ウ:これは1978年

エ:安保闘争が1960年?

 

大問3A2 気候ー雨温図(資料):期待得点率60%、得点率33.7%

雨温図苦手ですよねぇ。グラフそのものを覚えようとしてません?そんなの無理ですよ(笑)特徴を覚えましょうね。気温で判別できるのは熱帯・冷帯・寒帯・高山気候。降水量で判別できるのは乾燥帯。そして同じ気候帯の中で降水量で細かく気候を分類していくのです。後は、それぞれの地域の気候のイメージがないと、雨温図から気候帯はわかってもあてはまる地域は選べませんね。この辺りが今の中学生は弱いと感じます。

 

そうそう、得点率とは関係ないところで、採点基準についてちょっと疑問に思う点が社会でありました。

大問2問4の記述です。

転載不可なので資料をお見せできないのが残念なのですが、資料1として日本の経済成長率と輸出額・輸入額のグラフ。資料2として日本の輸出額に占めるおもな品目の割合の推移の表(食料品・繊維原料織物・化学品・金属品・機械類・その他)が用意されていて、「高度経済成長が終わるきっかけとなった石油危機に関して、このできごと以降の期間の日本の経済成長率と貿易は、できごと依然と比べてどのように変化しましたか」という問題でした。

採点基準は

1:経済成長率は低く推移している…2点

2:(貿易は)機械類の輸出が増えた…1点

3:輸出額が輸入額を上回る状態が続いた…2点

問題は3です。別解例として「輸出額と輸入額が大きく増えた(どちらか一方について書いたものも可)」となっているのですが、この別解例の方が模範解答としてふさわしいのでは?

というのは、グラフは輸出額が輸入額を上回るとハッキリわかる期間とそうでない期間があるため、模範解答例のような「上回る状態が続いた」のは比較的長い期間ではありますが全ての期間という訳ではないからです。

あぁ、2の別解として「食料品た繊維原料織物の割合が小さくなった」というのも、確かにそうなのですが、わざわざ減ったものを解答として取り上げるのも変な感じがするので、それなら指定語句形式にした方がよかったかもしれませんね。

 

続いて理科

大問1問1(4)火山ー鉱物(語句):期待得点率80%、得点率28.6%

大問1問3 多様性と進化ー地質時代と動物:期待得点率60%、得点率36.8%

問1(4)は、まあ間違えやすい語句ではありますね。斑晶って書いた人が多いのかな。問3は一番最後に現れたのをホニュウ類にしてしまったんでしょうね。最後は鳥類なんですよ。ついでに進化の道筋も魚類、両生類、哺乳類と分かれて、最後に爬虫類と鳥類ですからね。

 

大問3問2(2)水溶液とイオンーできた塩素の質量:期待得点率30%、得点率9.7%

大問3問3(1)水溶液とイオンー水素の発生方法:期待得点率80%、得点率57.3%

問2(2)は0.44gって答えたんでしょうね。銅と塩素の原子1個の質量比が1:1なのでCuCl2だから1:2なんですよ。

問3(1)は…よくわかりません。水素だとわからなかったということでしょうか。

 

大問4問2 音ー振動数と水の高さとの関係:期待得点率50%、得点率18.4%

まず、今回のこの大問。非常に良い問題でした。音で大問を作るというのはなかなか大変なのですが、水の高さと音の変化という面白い題材を使ってそれなりの難易度のものを作ってくれました。そして問2ですが、表1を見て何の疑いもなく水の高さが大きくなるにつれ振動数も大きくなっているのを見て「比例」と答えたんでしょうね。でも「比例」の定義をよく考えてみてください。2つの変化する数があって、片方が2倍・3倍…と変化するともう片方も2倍・3倍…と変化する関係を「比例」というのです。水の高さが2倍になったら振動数も2倍になっていますか?なっていませんよね。これは引っかけでも何でもありませんよ。

 

大問5問4(1) 空気中の水ー洗面所の湿度:期待得点率40%、得点率12.4%

大問5問4(2) 空気中の水ー春と冬のくもり方:期待得点率30%、得点率72.8%

湿度など割合が絡んだ計算問題は、出題されると得点率が低くなるのですが、今回は表2に3つ数字があることで、どれを計算に用いるべきなのかを考えなければならず、得点率が一層低下することになったのだと思います。まあ、くもっているときの鏡の表面温度なんて16℃だろうが10℃だろうが何度でもいいわけですから、そういう風に考えることができたかどうかだと思います。

そして問4(2)は期待得点率よりも逆に得点率が異常に高かった問題として取り上げました。実際に湿度を計算した方がいいのですが、冬は乾燥しやすく、空気も冷たいからという問題とはあまり関係のない理由で正解した人が多かったのではないかと思います。

 

で、いつもなら最後に英語を書いて終わりになるのですが、今回は特別に英語だけで後編の記事を書かせてもらいます。

これがどういうことなのかは、私のブログを長年読んでいる方にはおわかりいただけると思いますが…

 

それでは、今日はこのへんで。



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今さら2023年11月道コン速報

去年は道コン速報の記事書かなかったんだなぁと思ってましたが、まさか前編がそうだったとは…

というわけで、来年以降また勘違いしてしまっては困るので、感想とは分離した記事を書くことにします。

 

今年の8月道コンはこんな感じでした(10月ではありませんのでご注意を)。

科目 平均点 難易度 SS40 SS50 SS60
国語 49.8 ☆☆☆☆☆ 32 50 68
数学 53.0 ☆☆☆ 33 53 73
社会 57.9 ☆☆☆ 37 58 79
理科 42.5 ☆☆☆☆☆ 24 43 62
英語 54.1 ☆☆☆ 31 54 77
合計 257.6 ☆☆☆☆☆ 167 258 349

なんと、8月の道コンの速報記事書いてないんですね(笑)

調べてみてビックリしました。

今、見てみても、あぁ理科がとてつもなく難しかったんだなぁといった感想ですね。

国語と数学は大して平均点が違わないのに、なんで難易度がこんなに違うんでしょう(星5と星3)。

この難易度の基準ってよくわからないですよね。

難易度というか単に平均点の高低で判断しているのでしょうが。

 

そして、これが今回

科目 平均点 難易度 SS40 SS50 SS60
国語 62.0 ☆☆☆ 41 62 83
数学 45.4 ☆☆☆☆☆ 24 45 67
社会 56.2 ☆☆☆ 36 56 77
理科 55.2 ☆☆☆ 31 55 79
英語 42.6 ☆☆☆☆☆ 19 43 66
合計 261.8 ☆☆☆☆ 162 262

362

社会以外は8月と11月で難易度がひっくり返った感じですね。

国語は+12.2点、数学はー7.6点、理科は+12.7点、英語はー11.5点。

これでバランスとっているつもりなら困るんですが、間に10月も挟んでますからたまたまですね。

しかし英語がなぁ…

この辺りの話は感想でじっくりと。

 

そして、これが直近7年の11月合計平均点(中3)

※2020年以前は裁量と標準に分かれていたので平均点ではなく裁量のSS50ラインを採用しました。また300点満点でしたので500点満点に換算しなおしてあります。

2023年:261.8(速報)

2022年:274.4

2021年:287.6

2020年:277.5(裁量SS50)

2019年:260.8(裁量SS50)

2018年:254.2(裁量SS50)

2017年:251.7(裁量SS50)

ここ3年と比較して、かなり平均点が下がりましたね。

11月は甘めという傾向だったのですが…

まあ、1年を通してあまり平均点の上下がない方がいいですから、8月と比較してそこまで変わらなかったのは、うまくまとめたとも言えます。

ただ英語が…(2回目)

問題の感想は、この後すぐ出ます(笑)

※速報と感想を同じ日に書いているので。

 

それでは、今日はこのへんで。



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